お知らせです。来る11月7日(木)午後3時から、名古屋工業大学で開催される『プロジェクトマネジメント学会 2024年度中部支部シンポジウム』で、「MES標準業務テンプレート」について講演します。参加費は1,000円(学生およびPM学会員は無料)です。ダッソー・システムズの廣谷満氏との共同講演です。 この標準テンプレートは、(すでに何回か書いていますが)わたしが幹事を務める(財)エンジニアリング協会「次世代スマート工場のエンジニアリング」研究会が、昨年秋から共同で開発し、今年6月にパブリックコメント版として公開したものです。 工場で使う製造実行システムMESは、わたし達の研究会の調査では、すでに普及率が3割近くに達しており、さらに利用が広まると期待されています。「スマート・ファクトリーとはMESを活用する工場である」というのが我々の考え方ですから、この国でもようやく製造現場のスマート化の流れが出てきたと感じています。 (なお国際標準である ISA-95 = IEC62264の階層定義では、Level 2の制御システムとLevel 4の業務系システムの間を、製造オペレーション・マネジメントManufacturing Operation Management = MOMシステムと呼ぶことになっています。すなわち広義のMOMの中に、製造実行のための狭義のMESが含まれる事になるのです。ただ、世間では厳密に両者を使い分けている訳ではないので、我々はMES/MOMと、ひとくくりにしています) 今回の講演では、最初にわたしが、製造業における生産改革プロジェクトでありがちな課題について触れます。それは、縦割り意識の強いサイロ化した組織における、機能横断的な取組みが直面しがちな問題点です。ついで、我々の研究会が「標準業務テンプレート」開発という、一種ボランタリーなプロジェクトをどう進めたかを、お話しします。PM学会のシンポジウムですから、PM的な側面に触れる訳です。 ついで、共同講演者の廣谷満氏が、標準テンプレートの具体的な内容と使い方について、レクチャーされます。廣谷氏は半導体製造におけるMESを振り出しに、長年MES/MOMの実務に携わってこられた方です。 MES/MOMは業界や生産方式ごとに、個別性の強いシステムですから、IT機能の側から見ると、かなりバラエティーの大きな説明になってしまいます。しかし、ユーザの業務の視点から見ると、ディスクリート型工場では、製品が機械であろうと食品であろうと、比較的共通しています。どちらにも製造部門があり生産管理部門があり、品質管理業務や在庫管理業務がある、といった具合です。 我々の標準テンプレートは、このような日本の工場に共通する「As-Isの業務カタログ」というべき表形式になっています。そして、これを見ながら、ユーザは自社のニーズに合った形でカスタマイズして、MES/MOMの要件定義やRFP作成に活用することを想定しています。 本テンプレートについては、10月22日の「第4回スマート工場シンポジウム」(東京・大森)でワークショップを開催したばかりですが、日本の製造業のメッカである名古屋でも、発表できるチャンスをいただきました。短時間の講演ではありますが、ご関心のある大勢の方のご来聴をお待ちしております。 <記> 「プロジェクトマネジメント学会 2024年度中部支部シンポジウム」 ~ 技術革新とプロジェクトマネジメントの未来への挑戦 ~ 日時:2024年11月7日 15:00-17:55 会場:国立大学法人 名古屋工業大学 NITech Hall 〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町 ※名古屋工業大学へのアクセス ※NITech Hall の場所:正門から入ってすぐ右側(下記地図の右下) 講演 1 (15:10~15:55) 工場スマート化プロジェクトのボトルネックを解決する『標準業務テンプレートの開発』 ~ 日本の製造業の現実に合った MES/MOM システム構築のために 講師:日揮ホールディングス(株) 佐藤 知一、ダッソーシステムズ(株) 廣谷 満 申込方法:下記サイトからお申し込み下さい。 申込期限:11月4日(月) 参加費: 1,000円(学生およびPM学会員は無料) 以上、よろしくお願いいたします。 佐藤知一@日揮ホールディングス(株) <関連エントリ> 「スマート・ファクトリーとはMESを活用する工場である」 https://brevis.exblog.jp/30503581/ (2023-12-02)
by Tomoichi_Sato
| 2024-10-24 11:32
| サプライチェーン
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