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お知らせ:「スマート工場 構想企画人材」育成セミナーを7月26日に開催します

デジタル人材をとれない」という声を、よく耳にします。「せっかく育てても、辞めていってしまう」とも。中途採用をかけようにも、ウチの会社の処遇じゃ、殆ど応募も来ないんだ・・そんな嘆きを聞いたのも、一度や二度ではありません。

実はこの悩み、日本だけではないようです。わたしは先週アムステルダムで開かれたエネルギー業界向けのデジタル技術とDXに関するカンファレンス「Go Digital Energy 2023」に参加してきました。この会議に出席するのは3回目ですが、欧米のエネルギー企業も、似た悩みを抱えているようです。石油メジャーのような高処遇の大企業でも、ITエンジニアの確保に苦心していると聞きました。

もっとも欧米の場合、ITプロフェッショナルとは、大学でComputer scienceを専攻し、最低でも修士号を持っている人間のことを指します。企業はそうした専門職を社内に抱えて処遇し、設計開発も自社内で行います。そして、経営層に上がっていけるキャリアパスも存在する訳です。IT人材の7割が受注業者側にいる日本の産業構造とは、少し事情が違います。

日本企業の問題点は、むしろデジタルに関する大きな構想策定や、企業レベルでのシステム構成のアーキテクチャを決めることができずにいる点です。かりに実装は外部企業に委託するとしても、自社の将来構想は自分で考える必要があります。
そうした構想を考えるべきなのは、計算機科学を専攻した若きデジタル技術の専門家でしょうか。それとも、自社の業務ニーズと経営戦略の方向性を熟知し、かつITの機能要件や限界についてもある程度理解している、業務系の人材でしょうか? データサイエンティストを何十人も並べても、そこから自社の構想戦略が出てくるようには思えません。

似たような事情は、工場のスマート化に際しても起きているように感じられます。「工場にデジタル人材が来てくれない」と言う嘆きはよくわかるのですが、本当に必要なのは、製造業務の現実をよく知りながらも、デジタル技術にも一定の理解を持つ、中堅の実務層なのではないでしょうか。

企業の変革をリードしていくには、2種類の「IT人財」が必要に思えます。一つ目は文字通り、デジタル技術を習得した若きスペシャリスト。もう一つは、業務知識をベースにIT理解も持つエキスパートです。前者は大学で育てられますが、後者はビジネスの経験が必要であり、企業内で育てるしかありません。わたし達の社会は両者をごっちゃにして「人材不足」を論じているようですが、後者の候補生は大勢いるのです。ただ、その育て方を企業が知らないだけなのでしょう。

ということで、お知らせです。来る7月26日に、(財)エンジニアリング協会で「スマート工場 構想企画人材 育成セミナー」を開催します。1日コースで、工場のデジタル化のための基本を学び、最後に演習として「改革プロジェクトのキックオフシート」を作成します。

講師は、ゴールシステム・コンサルティングの渡辺薫氏(元・日立製作所)、日本電気の岡野美樹氏、平田機工の神田橋嗣充氏、そして、わたし佐藤知一です。最後のグループ演習は講師全員で協力して進めます。有料セミナーですが、他に比べても非常に廉価に設定しています。

本セミナーは「なぜ」という問いから始めます。工場スマート化とは、デジタル技術を活用したオペレーションの課題解決です。そしてなぜ、データが重要なのかを考えていきます。この部分は、TOCの分野で著名な渡辺薫氏が、分かりやすく説明される予定です。

わたしの担当講義では、データと情報の区別から始めて、製造業における情報の流れと、全体をデジタル化した場合のITアーキテクチャについて説明します。中核に位置するのは、製造マネジメントシステム(MES/MOM)ですので、それが何の機能を持ち、どう課題解決に役立つかを解説します。

具体的事例については、前回(昨年12月)に引き続き、NECの岡野美樹氏から自社事例とその苦心談を紹介いただくのに加え、今回はさらにパワーアップして、内外の先進工場作りに関わってこられた平田機工の神田橋氏からも事例解説をいただく予定です。

主な受講対象者は、工場の中堅リーダー層です。加えて、製造業の情報化ニーズを理解したいITエンジニア・制御エンジニアの方々も大歓迎です。この研修はエンジ協会の「プロジェクト・マネジメント」セミナーの一環ですので、PMP取得向けのPDU単位も発行します。

工場スマート化プロジェクトには、業務変革とデジタル技術の両面が必要です。そのためには業務系のエキスパートと、IT技術に強いスペシャリストが、互いに相手の言葉と論理を理解し協力する必要があります。業務系出身者が「デジタル人財」にステップアップするための入口を、本セミナーではご提供します。

「考える」研修のため、対面でのリアル主体形式で開催します。ただし遠隔地の方の利便に配慮し、オンライン版も価格を下げて提供しますが、できればリアル参加をお勧めします。こうした問題に自分で取り組んでみたい、とお考えの皆様のご来聴をお待ちしております。

<記>
スマート工場 構想企画人材 育成セミナー

日時: 2023年7月26日(水) 9:30~17:15 事前登録制、オンライン形式。

講演者と内容:(敬称略)

  • スマートファクトリー実現に必要な知識 ・・・ 講師:渡辺 薫(ゴールシステム・コンサルティング)
  • スマート工場の国内・海外事例 ・・・ 講師:神田橋 嗣充(平田機工)
  • システムとしての工場~その機能とデータの流れ ・・・ 講師:佐藤 知一(日揮ホールディングス)
  • スマートファクトリー・プロジェクト事例紹介 ・・・ 講師:岡野 美樹(日本電気)
  • 自社の課題整理と質疑応答 ・・・ 全講師

セミナー詳細: 下記をご参照ください 

スマート工場の話題にご関心を持つ方の、ご来聴を心よりお待ちしております。

by Tomoichi_Sato | 2023-06-12 19:01 | C2 スマート工場論 | Comments(0)
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