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お知らせ:月刊「工場管理」に工場づくりの連載記事を執筆しています(ダウンロード可能)

お知らせです。以前もご案内しましたが、日刊工業新聞社の雑誌「工場管理」に、『ゼロから始める新工場づくり ~人材の集まる工場ができるまで~』という連載記事を書いています(丸山幸伸氏と共著)。新しい工場を作る際のステップを、構想から始まり、マスタープランづくり、投資判断を経て、工場設計・資機材調達・建設・試運転まで、勘所とプロジェクト・マネジメントについて解説する記事です。

連載は昨年8月からスタートし、今月発売の6月号で第11回目を迎えます。とくに第8回以後は、工場設計に関して、製造機械・物流設備・建築・空調・電気エネルギー・用役設備・制御ITシステム、といった多面的な分野に関し、エンジニアリング会社ならではの知見を込めた記事を続けますので、まさに連載も佳境に入った感があります。

参考までに各回の章立てと内容を以下に紹介しましょう(来月分まで予告を兼ねて載せておきます)。

  • 第1回 新工場づくりの期待と悩み (2022年8月号)
工場のエンジニアリングとは、
現場の悩み・その1 人材不足、
現場の悩み・その2 投資不足、
工場はコストセンターか、
新たな投資の必要性、
工場づくりに向く日本のエコシステム、
「工場エンジニアリングの視点」とは
  • 第2回 工場のマスタープラン、その1:立地を選ぶ  (2022年9月号)
ゼロベースで「工場のあるべき姿」を考える、
工場の立地はいろいろな経緯で決まっていく
(サプライチェーンの中の地理的位置づけ・人材市場の地域状況・投資および操業コストの地域性・その他外部環境)、
これからの工場はどこに行くのか
  • 第3回 工場のマスタープラン、その2:敷地の使い方を決める (2022年10月号)
敷地の使い方~あるケースから、
ベテラン建築士の教訓、
敷地の使い方で決めるべきこと、
地域に対する「顔」と関わり方、
工場を取り巻く法律(都市計画法・建築基準法・消防法)
  • 第4回 工場のマスタープラン、その3:生産形態を設計する (2022年11月号)
生産形態とは何を指すのか、
4 つの代表的生産形態(見込生産 MTS = Make to Stock、繰返し受注生産 MTO = Make to Order、受注組立生産 ATO = Assemble to Order、受注設計生産 ETO = Engineer to Order)、
教科書にない5 番目の生産形態とは、
カップリングポイントとは何か、
生産形態をデザインしよう
  • 第5回 工場のマスタープラン、その4:生産量・生産方式とレイアウト (2022年12月号)
生産数量と品種数を設定する、
生産方式を考える(連続ライン方式・フローショップ方式・ジョブショップ方式・セル生産方式・固定ロケーション方式)、
在庫ポイントと物流動線を考える、
多層階レイアウトの課題
  • 第6回 マスタープランと投資判断 (2023年1月号)
マスタープランの目的とは、
操業までの工程とスケジュール、
投資額と費用の見積り、
経済性評価とDCF法、
マスタープランからプロジェクト体制へ
  • 第7回 工場の分類とシステム的な特性を理解する (2023年2月号)
どこをベンチマークするべきか、
プロセス系かディスクリート系か、
製造データに関する違い、
中央制御室の存在、
生産システムの密結合と疎結合
  • 第8回 設計基本条項と生産品目 (2023年3月号)
設計基本条項とは、
生産品目とP-Q分析、
工場レイアウトと部品表、
工場とは「モノの流れる場」である
  • 第9回 工場基本設計の全体像 (2023年4月号)
設計とはどういう仕事か、
工場設計のインプットとアウトプット、
工場基本設計の全体像とアウトプット
(製造設備計画、物流設備計画、ユーティリティ・給排水・衛生設備計画、空調設備計画、生産情報管理システム計画、電気エネルギー設備計画、建築計画)、
工場の「回路図」を表すダイアグラム
(ブロックフローダイアグラム、メカニカルフローダイアグラム、プロセスフローダイアグラム)
  • 第10回 製造機械の設計とレイアウト (2023年5月号)
工場機能の見える化、
製品の製造工程(プロセス)を設計情報へ、
工場の自動化レベルの設定・機械台数、
メカニカルフローの作成、
製造環境の設定とレイアウト
  • 第11回 物流設備の設計とレイアウト (2023年6月号)
モノの流れの整理、
物量と荷姿の把握、
物流の機能とは何か、
自動搬送の種類、
自動搬送設備を用いた新しい工場レイアウト(スタッカーフロー・モールフロー)、
能力検討ならびに生産設備との取り合い
  • 第12回 制御/ITシステム設計 (2023年7月号)
工場レイアウトと制御・IT システム、
制御ITシステムは効率的レイアウトを助ける、
IT システムへの苦手意識を克服する、
IT システムの基本設計とは(ITアーキテクチャ・要件定義)、
IT システム導入のプロセス、
制御システムとIT システムの違い

HPなお上記の記事は、雑誌発行を順次追う形で、日揮(株)ネクストファクトリー・ソリューション部のHPに、PDF版を掲載していきます。こちらは登録いただければ、無料でダウンロード可能です(現時点では第7回まで掲載済み)。

なお、日揮は「プラント・エンジニアリング会社」として知られていますが、本連載記事はむしろ、化学プラントのような「装置産業」ではなく、主に機械・電気・食品・日用品など固体の製品を扱う、組立加工系=「ディスクリート系」の工場を対象として、書いています。これは日本国内における工場の大半が、こうした人手の多く介在する職場だからです。

とはいえ工場とは、人と設備と物品とツール群からなる、きわめて複雑な仕組みです。それを計画し設計し実現するために、つねに全体からの視点が必要です。本連載では、エンジ会社のシステムズ・アプローチを通して、あらためて工場づくりという仕事の勘所と面白さを感じていただけるのではないかと、自負しております。大勢の方に読んでいただければ、まことに幸いです。

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by Tomoichi_Sato | 2023-05-25 10:07 | 工場計画論 | Comments(0)
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