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「プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会」(4月21日)開催のお知らせ

前回から少し間が空いてしまいましたが、今年度第1回のP&PA研究部会を開催します。今回はデータモデリングの達人として知られる渡辺幸三さんをお迎えして、ローコード開発を中心とした『超少人数開発』のプロジェクトについてお話しいただきます。

プロジェクト・マネジメントの世界の指針として仰がれてきたPMBOK Guide(R)が、最新版の第7版から、構成と内容を大きく変えたことは、皆さんもご存じの通りです。その変化をもたらした最大の理由は、アジャイル開発普及への期待にありました。PMBOK ver.7は、プロジェクトの開発アプローチを3つに大別します。「予測型 Predictive」、「ハイブリッド型Hybrid」、「適応型 Adaptive」です。予測型とは、最初に全体計画を立て、それに従って全体をコントロールしていく従来型の方法で、IT開発の分野では「ウォーターフォール型」とよばれるものです。

これに対し、適応型とは「アジャイル開発」を意識しています。反復(Iteration)的かつ漸進的(incremental)に、少しずつ成果物の定義と開発を繰り返しながら進める方式です。ハイブリッド型は両者の中間形態と理解すればいいでしょう。以前のPMBOKは予測型アプローチ一本槍でしたが、プロジェクトへの要求が変わりやすい環境下では、適応型のアジャイル開発が有利だ、と表明し、大きな転換となった訳です。

当研究会でも、アジャイル開発は何度も取り上げてきました。昨年の小川明彦さんの「チケット駆動開発」をはじめ、2018年の市谷聡啓氏による「われわれはなぜアジャイルに向かうのか」、古くは2014年の黒岩惠氏「トヨタ生産方式(TPS)の本質とアジャイル(Agile)プロジェクトのあり方 」などです。その期待の底には、プログラマーの復権というテーマが潜んでいると、わたしは考えています。

アジャイルと並行して過去10年間進んできたのが、ローコード開発ツールによる「超高速開発」でした。これについても2021年に、古関雄介さんに「ローコード開発手法でプロジェクトマネジメントはこう変わる」を講演いただき、大いに刺激を受けました。

渡辺幸三さんも、『X-TEA』というローコード開発ツールを個人で作り、無償で提供されています。渡辺さんは「データモデル大全」や「業務別データベース設計のためのデータモデリング入門」などの著書で有名ですが、ただしIT開発ツール自体の販売ではなく、設計支援のコンサルティングに主力を注いでおられます。それも複雑で大規模な業務系システムの基本設計の支援です。そして、現代のシステム開発の問題は、あまりに多くの人々が開発過程に関わっている点にある、と指摘されています。

したがって、ローコード開発ツールの最大のポイントは、「超高速」で工期を短くできることでも、「アジャイル」で漸進的に作っていけることでもなく、整合性の取れた全体設計を可能にすることにある、という趣旨の主張をされています。そのキーワードが、『超少人数開発』なのです。

当代きってのデータモデリングの名手と、オンラインで対話できるチャンスです。また、IT開発以外の分野の方にとっても、(そのプロジェクトが「設計」に関わる限り)刺激的で示唆に富んだお話になるはずです。ぜひふるってご参加ください。

<記>

■日時:2023年4月21日(金) 19:00~20:15 (原則オンライン形式)

■講演タイトル:
超少人数開発のすすめ ~ 野球で学ぶデータモデリングの基礎

■講師:渡辺 幸三 様
有限会社ディービーコンセプト(DBC)代表

■講師略歴:
新潟市出身。北海道大学理学部卒。
業務システム開発者。システム設計手法である「三要素分析法」の提唱者。設計ツール「X-TEA Modeler」、実装ツール「X-TEA Driver」の開発者。DBC代表。
著書:「データモデリング入門」、「生産管理・原価管理システムのためのデータモデリング」、「上流工程入門」、「データモデル大全」(日本実業出版社)、「業務システムモデリング練習帳」(日経BP社)、「販売管理システムで学ぶモデリング講座」(翔泳社)他。

■参加希望者は、三好副幹事までご連絡ください。後ほど会議のリンクをお送りいたします。

■参加費用:無料。
ちなみに本研究部会員がスケジューリング学会に新たに参加される場合、学会の入会金(¥1,000)は免除されます。

以上、よろしくお願いいたします。
佐藤知一@日揮ホールディングス(株)


by Tomoichi_Sato | 2023-04-02 14:39 | プロジェクト・マネジメント | Comments(0)
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