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BOMに関する新連載記事のお知らせ

2004年の末に『BOM/部品表入門』を山崎誠氏と共著で上梓し、以来18年が過ぎました。おかげさまで同書は今年に入ってからも増刷が決まり、累計1万2千部を超えています。また中国語版も、正確な販売部数は不明ながら、着実に売れ続けています。それだけ、BOM/部品表のマネジメントに悩む製造業の方が、内外で多い証拠でしょう。

その後、何度か有償の一日セミナーも行ってきました。こちらもそれなりに継続し、ニーズの根強さを実感すると共に、BOMをめぐる課題の裾野の幅広さを感じました。ただし同書で十分カバーしきれなかった項目や、出版後に浮き彫りになった種類の問題もあります。また新たに確立普及してきた概念・ツールなどもあります。たとえば、以下のような事柄です:

・E-BOM、P-BOM、M-BOMの関係
・製番管理や個別受注生産におけるBOMの扱い
・品質トレーサビリティと製造ロット
・E-BOMとM-BOMの乖離
・資源表(BOR) など

ちなみに上記の本は、BOMをめぐって設計・生産技術・製造・購買・営業・・など、様々な部門の関わりを示し、またその要求事項を明らかにするという構成で書きました。わたしが本を書くと、なぜか必ず対話劇みたいになる(笑)のですが、同書も架空の企業におけるBOM構築プロジェクトに対して、外部コンサルタントが各部門と対話する形式になっています。その縦割りの多部門に対して、横串を通すのが、「事務局」としての情報部門だ、という仕立てです。

こういう構成の本は珍しいようですが、BOMという多面的な基準データの全体像を理解するには、適切だったようです。

今回ご縁があって、大興電子通信さんから、同社のWebメディア『DAiKO+PLUS』で、BOMに関する連載記事を書いてもらえないか、という依頼を受けました。そこで、部門単位の視点を保ちつつ、上述のような新しいトピックを組み込んだ上で、読みやすい長さの記事を書くことにしました。全部で11章(「はじめに」を含むと12セクション)です。これを、6月から毎週1記事ずつ、掲載していただくことになりました。

なお、大興電子通信さんは、<部品表中心の生産管理システム>『rBOM』という、とてもユニークなソフトウェア・パッケージを開発販売されています。ただし、わたしの記事はとくにrBOMについては触れていません。宣伝目的ではなく、あくまで一般的なBOMの解説記事として書きました。

記事はPDF形式で提供され、登録ユーザがダウンロードできます。よろしければ、ぜひ、お読みください。ちなみに初回のイントロは、こんな風です:


はじめに 〜 今、なぜBOMが問題なのか
最近、「データ・ドリブン経営」という言葉を、ときどき耳にするようになりました。「製造業DX」について語る人も、増えてきているようです。そして「スマート工場」という用語も、もう何年も前から話題になっています。

これらの言葉が実際に何を指すのかについては、必ずしも意見が定まっていません。ただ共通するのは、これからの製造業ではデータが非常に重要になる、ということです。
もちろん、製造業がこれまで、データを無視してきた訳ではありません。設計図は今や、多くがCADデータでしょうし、製造指図も生産実績も、多くの企業では生産管理システムの中に、データとして記録されているはずです。品質検査記録から、サプライヤーとの発注・入荷、製品の出荷実績に至るまで、ほとんどは手書き伝票でなく、情報システムで管理しているでしょう。

ならば、なぜ今更「データが大事」という標語が叫ばれるのでしょうか。

こういうケースを考えてみてください。顧客からある日、納入した製品に関する品質のクレームが入りました。一大事です。品質検査記録を調べ、納入製品が、どの製造ロットに属しているかを、さかのぼって確定しなければなりません・・・


以下はぜひ、サイトでダウンロードしてご覧ください。記事は毎週水曜日に更新されます。


佐藤知一@日揮ホールディングス(株)


by Tomoichi_Sato | 2022-06-03 22:06 | サプライチェーン | Comments(0)
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