年明けに開催する2件のイベントのお知らせです。 一つ目は「プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会」で、小川明彦様にRedmineを応用した「チケット駆動開発の解説」のご講演をいただきます(1/11夜)。 二つ目は1年ぶりの、BOM/部品表に関する1日セミナー(1/27、オンライン・有償)のご案内です。 「プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会」(2022年1月11日)開催のお知らせ プロジェクトは、単位要素的な仕事の集積である、というのがモダンPM論の基本的認識です。その要素的な仕事を『アクティビティ』と呼ぶのが、PMBOK Guideのお約束です。ただしIT業界ではアクティビティの代わりに『タスク』という言葉を使う習慣も強いため、お互いに会話する際は注意が必要でしょう(ちなみにPMBOKでは、ずっと細かな日常的課題・To doを「デイリータスク」と呼んでいます)。 いずれの名前で呼ぶにしても、プロジェクトとは「やるべき仕事」の集合であり、それはさらに、事前に計画可能な(プロジェクト計画書に含まれる)種類のものと、遂行途上で生まれてくる計画できないものに分かれます。これらをうまく、相互に協調した形で進められるかどうかが、プロジェクトの成否を決めていきます。 Redmineはチケット管理をベースとした、プロジェクト・マネジメントのためのオープンソースのソフトエウェアです。プロジェクト・マネジメントを標榜するソフトウェアは多数ありますが、「やるべき仕事」をチケットという仕組みで可視化し、コントロールしていく点がユニークです。 Redmine自体はIT開発プロジェクト向けツール、とのイメージが強いですが、単なるチケットによるタスク管理を超えて、製造業などにおけるプロセス改善にまで視野を広げたお話を聴ける機会です。年明け早々ではありますが、皆様ぜひご参加ください。 <記> ■日時:2022年1月11日(火) 18:30~20:30 (オンライン形式) ■講演タイトル: 「チケット駆動開発の解説~タスク管理からプロセス改善へ」 ■概要: チケット駆動開発とは、チケットと言う仮想カードでソフトウェア開発のタスク管理を俊敏に行う開発手法である。日本ではチケット駆動開発を実践する為に、オープンソースのチケット管理ツールRedmineが広く使われている。昨今、高機能化したチケット管理ツールがとても便利なので、製造業などIT業界以外のタスク管理に適用し、プロセス改善を通じてDXを支援する事例も増えている。 本講演では、チケット駆動開発が生まれた背景と意義、プロセス改善へ発展した経緯と留意点について述べる。 ■講師:小川明彦 所属:redmine.tokyoコミュニティ ■講師略歴: 2001年に大学院(数学専攻)を卒業後、IT業界の受託側・発注側のプロジェクトマネージャとして業務系Webシステムの企画提案/設計/開発/保守を経験してきた。ソフトウェア開発のプロジェクト管理に苦労した経験からアジャイル開発に興味を持ち、オープンソースのチケット管理ツールRedmineを使ってチケット駆動開発と言う開発プロセスを独自に探求している。現在は、PMOの立場で社内のプロジェクト管理の標準化や品質管理に従事している。 技術士(情報工学)、情報処理技術者(データベーススペシャリスト)、認定スクラムマスター。 ■参加希望者は、三好副幹事までご連絡ください。後ほどオンライン会議のリンクをお送りいたします。 ■参加費用:無料。 ちなみに本研究部会員がスケジューリング学会に新たに参加される場合、学会の入会金(¥1,000)は免除されます。 次は、BOM/部品表に関する1日集中セミナー(有償)のお知らせです。 製造業のDXという言葉が、世間を賑わせています。それが何を意味するかは諸説紛々ですが、製造現場のデジタル化や自動化(機械化)を除外して、本社や営業所だけで考えられるものでない事だけは、確かです。顧客からの受発注や仕様・要望、そしてクレームなどを、どのようにスムーズに製造現場に伝えられるかが問われていますし、また逆に現場の進捗や納期・コスト見積情報を、いかに素早く顧客に返せるかも大事です。そしてサプライヤーへの発注手配も、品質・コスト・納期(QCD)と不可分の関係にあります。 これら情報をつなぐインテグレーションの中核となるのが、基準情報としての『BOM/部品表』のデータであることは、言うまでもありません。とくに最近は、「トレーサビリティ」(=追跡可能性)が、多くの製造業の分野で求められるようになりました。これもまたBOMデータと切っても切れない関係にあります。 製造業ならば、どの企業もBOMを持っています(そうでなければ材料が購入できないはずです)。しかし、BOMデータのマネジメント悩む会社は、少なくありません。BOMには、受注・製品設計・工程設計・購買・生産管理・製造・品管・物流・保全・サービス・会計と、数多くの部門が、いろいろなフェーズとタイミングで関わるからです。 相互につながっていない複数のシステムを抱え、その間のつなぎを、人間が手作業で行っているのが、多くの企業の現実です。しかしますます加速する多品種化と、頻繁な計画変更のため、「すり合わせ」能力も限界に近づいているのではないでしょうか。しかも日本のIT業界には、製造現場のITシステムに強い企業がとても少ない、という状況が困難に拍車をかけています。 では、どうすべきか。もちろん答えは、企業の生産方式やBOMの特性、そして現状システムのあり方に応じて、千差万別でしょう。しかし、共通の基本概念を理解し、BOM特有の各種テクニックを学んだ上で取り組まなければ、あまりにも非効率です。さらに近年では、BOP(Bill of Process=工程表)概念の普及や、先に述べたトレーサビリティ要求、そして製造実行システム(MES/MOM)の普及など、新しい進展もあります。 こうした事柄を理解しながら、自社のBOMデータのあるべき姿について、考えるきっかけにしていただければと願う次第です。BOM/部品表マネジメントに関心のある方のご来聴を、心よりお待ちしております。 <記> (2) 「BOM/部品表の基礎と生産管理に効果的なBOM構築のポイント」 日時: 2022年1月27日(木) 10:30〜17:30 主催: 日本テクノセンター 本セミナーでは、BOMの基本概念の再整理からはじめて、マテリアル・マスタの統一、BOMの応用テクニック、そしてBOM構築プロジェクトの進め方について、演習をとりまぜつつ、平易に解説します。特に、BOM構築の3つの難所について重点的に説明し、トレーサビリティに関わる課題などについても、詳しく述べます。一日セミナーですので、じっくりと学ぶには最適です。 なお講義はオンライン形式ですが、自分で考えて身につけていただくため、グループ演習形式も多少取り入れて進める予定です。もし可能であれば、マイクとカメラ付きの端末をご用意ください。 セミナー申込み: 下記をご参照ください(有償です) 以上、大勢の方のご参加をお待ちしております。 佐藤知一@日揮ホールディングス(株)
by Tomoichi_Sato
| 2021-12-19 18:31
| ビジネス
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