個人の時間管理においては、スケジュールとTo Do Listの統合が一番の課題である。グループウェアとか、パーソナル・スケジューラなどのソフトでも、たいていこの二つの機能は揃えているが、画面は別々にある。ところで、私の同僚は、この問題に、ちょっと風変わりだが、見事な解決をつけていることを、最近知った。
私の課題をもう一度述べておこう。私は基本的に、会社でやるべき仕事のTo Do Listを、一元管理している。また、自分の予定はすべて、グループウェアのカレンダーに入力している。そして、朝、会社の席に座ったら、まずその日にやるべきアクション項目をTo Do Listから拾い出して優先順位をつけておき、また打合や来客などのイベント的な予定を確認する。 問題なのは、この二つのデータが別々に存在していることだ。両者は同じグループウェアに登録しているが、二種類の画面を行ったり来たりしなければならない。とはいえ、To Doという、納期がキーになるデータ項目と、イベントという開始・終了日時が決まっているデータ項目とは、そもそも構造がちがうのだから、これは致し方のないことだと、ずっと思っていた。 しかし、もっと困るのは、私のカレンダーを誰かがのぞいたとき、予定が入っていないと「ああ、佐藤君はこの日は空いているんだな」と思われてしまうことである。じつは、その日はTo Doがたくさんあって多忙かもしれないのに、である。 ところで、くだんの私の同僚は、実に意外な方法でこの問題を解決している。彼はプロジェクト屋だから、とうぜんTo Do Listを毎日抱えているわけだが、自分のカレンダーに、To Do Listの作業項目を、時間枠をとって書き込んでしまうのである。たとえば、「10:00-12:00 マンスリー・レポートを書く」といった具合である。To Doが増えて仕事が多忙になれば、当然カレンダーはどんどん埋まっていく。だから、勝手に他人が予定をのぞいて「彼はこの日はひまそうだから会議を入れよう」などと出来なくなるのだ。まさにコロンブスの卵である。 彼はこの方法を、「自分で自分を予約するのです」と説明していた。たしかにグループウェアには、会議室や機材などの資源を予約する機能がある。この類比で言えば、彼は自分自身の労働時間という資源を予約しているのである。 自己予約することによって、必然的に、そのTo Doのアクション項目が、どの程度の作業時間を要するのかについても、真剣に見積もることになる。また、あとでタイムシートをつける際にも、カレンダーをさかのぼって参照すれば、どの仕事に何時間働いたか、すぐに分かるという仕掛けだ。実に合理的である。 この彼の知恵は、資源の予約とは何か、という問題をあらためて私に考えさせるきっかけとなった。たとえば製造資源の予約という行為である。生産スケジューリングとは、ある意味で資源の予約と確定に他ならない。また、生産予定の予約は、ATP管理すなわち生産座席予約システムともつながっていく。しかし、目に見える機械資源の予約はある意味でわかりやすい。 むずかしいのは、目に見えにくい知的労働力の資源の予約と確定である。私は最近、ホワイトカラーの生産性向上とは、結局、自己管理能力のレベルアップにつきるのではないかと感じてきている。だとすれば、彼のような「自分自身の予約」は、奇抜に見えるけれど極めて良い方法ではないかと考えている次第である。
by Tomoichi_Sato
| 2010-07-22 23:56
| E5 時間管理術
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Comments(3)
これ、私もやっています。時間管理が上手くないプロジェクトメンバーに自分を予約させるのも効果的ですね。個人の仕事がうまくいかない原因が「他の仕事が予想外に入ってしまったから」であることは少なくないですから。
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「自分で自分の時間を予約する」なんだかいい言葉ですね。私はまだ、「時間管理」の新米なので、自分との約束は100%守れずにいますが、これからもう少し得意になっていきたいと思います。人との約束ではないから、強制力がない、というのはいいわけですものね。
タイム・コンサルタントと言う肩書は実に面白い。自分でつけられたのですか? お金と時間、情報、身体・メンタルの健康・・・・いろんなマネジメントが生きていく為、大切ですね。quality life, simple lifeの為に。
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