お知らせ:「オペレーションズ・リサーチ」誌に最適入札価格に関する論文を書きました

お知らせです。
日本OR学会の月刊誌「オペレーションズ・リサーチ」2015年7月号(http://www.orsj.or.jp/e-library/elcorsj.html#6007)に、

 「プロジェクト入札価格の決定問題
 ―競争入札における見積リスクと最適入札価格について―」

と題する論文を書きました。

一般に受注ビジネスの競争入札では、最安値を競います。しかし当然ながら、入札仕様書に書かれた条件だけでは正確にコストを見積もることができず、ある程度の不確実性(精度の問題)が残ります。そこにリスクがある訳ですが、対策のために予備費を積みすぎると、今度は値段が高くなって入札自体に負けるリスクが高まります。かといって値段を下げると、受注しても赤字になる可能性が大きくなる。このジレンマに解決はあるのでしょうか?

わたしのこの論文では、まず、一般に見積誤差は非対称で、プラス(コスト超過)の側にふれることが多いという傾向が、なぜ生じるのかを明らかにします。つぎに、競争見積状況下で対等なライバルに勝って、かつプロジェクトの期待利益を最大化できる入札価格があることをシミュレーションで示します。さらにオークション理論からみた入札のありかたを解説し、最後に、「ライバルと自分は互角である」という推測は、入札に何連敗したら見直すべきかを、数学的に示します。

多少数式も出てきますが、極力読みやすさに配慮した論文にしたつもりです。

なおこの雑誌は紙媒体ですが、Webからも記事を読むことができます。わたしの論文のURLは次の通りです。
 http://www.orsj.or.jp/archive2/or60-7/or60_7_374.pdf

ちなみにこの7月号は『プロジェクトの見積りと受注の科学』の特集で、責任編集されたのは文教大学の石井信明教授です(わたしのかつての同僚でもあります)。その石井先生の論文:「供給能力と受注量の最適化問題」は、わたしが以前このサイトで書いたエントリ「とれるだけ仕事をとってはいけない」 でご紹介した、プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会での講演内容を敷衍したもので、非常に興味深い論文です。入札と受注戦略に興味のある方は、ぜひ、あわせてお読みください。
by Tomoichi_Sato | 2015-07-30 23:00 | プロジェクト・マネジメント | Comments(0)
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